富士フイルムユーザーのみんなが大好きX-Pro2。
X-T3など進化する富士フイルムの他の機種を見ているとX-Pro2の後継機であるX-Pro3が早く出ないかな、と思う方も多いはず。
実際にX-Pro2を使用している私がX-Pro3について発表されていることを中心に客観的にまとめました。
10/23追記:正式発表されたので詳細なスペックを修正、追記しました
▼世間の反応や主観的な思いについてはこちらの記事で▼
X-Pro3の発売日は2019年11月28日から!
発売日は公式サイトから日本時間の11月28日(ブラックのみ)です。
※デュラテクトシルバーとデュラテクトブラックは12月中旬予定
予約も10月25日頃から順次開始する店舗が多いようです。
X-Pro3はこう変わる
X-Pro2からの変更点は
- 外装はチタン中はマグネシウム合金
- 色は1色から3色展開へ
- 背面は固定式から1軸チルト式へ変更
- 背面には小さいディスプレイ
- 十字キーの廃止やボタンの配置の変更
- 撮影枚数の増加
- 新しいフィルムシミュレーション
- EVF(電子ファインダー)がよりキレイに
- microUSBからUSB-Cに変更され充電も可能に
- トーンカーブ設定が新たに追加
- 低照度限界が-6EVに広がり暗所でのオートフォーカス撮影が可能に
- カラークロームエフェクトにカラークロームブルーが追加
はこんな感じ。
順番に見ていきましょう。
外装はチタン
フィルム時代から高級機種で使われてきたチタンをXシリーズとして初めて採用。
チタンは軽い物質ですが強度があり、耐食性にも優れています。
その代わり加工も難しく高価な素材なのでX-Pro2よりも高くならないか心配です。
色は3色展開に
従来のブラックに加えてデュラテクトブラック、デュラテクトシルバーの3色。
個人的にはどの色買おうか迷うので、いきなり増やすのはやめてほしい…笑
パッと見た感じシューカバーは全て同色みたいなので統一感があるのはブラックでしょうか。
ちなみにデュラテクトはシチズンの技術で擦り傷などに高い耐久性があるそうですよ。
デュラテクトブラックとシルバーはかなり指紋が付きやすい仕様なので購入する前に実物をみた方が良いかも。
新品でも味が出るような風合いになりますが好みが分かれるかと思います。
▼実際に触ってきました▼
背面は固定式から1軸チルト式に&小さいディスプレイ
X-Pro2からの大きな変更点はなんと言っても背面部でしょうか。
小さなディスプレイが配置されていて、ここで設定の確認やフィルムシミュレーションの銘柄を確認可能という他のカメラにはない趣向を凝らしてきました。
今まであったディスプレイはどこに行ったかというと…
チルトすると大きなディスプレイが表れます。
この部分は180度回転させて表と裏を入れ替えることが出来ないのでディスプレイを見ながら撮影したい方は上の写真の様に開かないと確認出来ません。
ちなみにディスプレイはタッチパネル式になりました。
ボタンの位置や十字キーの廃止
X-Pro2のボタン配置と比べると
- 軍艦部のボタンが3つから2つに
- 測光ボタンやVEWMODEボタンが廃止
- AE-LボタンがAF-Lボタンと統合
- ゴミ箱ボタンとDRIVEボタンが上部に統合
- AF-Lボタンがあった場所はカスタムボタンに変更
- 十字ボタンの廃止
- ゴミ箱ボタンの位置にPLAYボタンが採用
とかなり変更されています。
元々ボタンの数が少ないX-Proシリーズですが、自分の好きな設定をすぐ呼び出す為のカスタムボタンが5つも減るのはかなり心配ですね。
撮影可能枚数の増加
X-Pro2の最大の弱点と言ってもいい電池の持ちですが、X-Pro3で370枚と約1.5倍も撮れる枚数が増えることに。
これは素直に嬉しい、本当に嬉しい。
光学ファインダーを使う場合は更に440枚とこちらも約1.25倍も増加。
使用するバッテリーはそのままに、これだけ撮影枚数が増えたのは背面ディスプレイの変更が大きいのでしょうね。
新しいフィルムシミュレーション「クラシックネガティヴ」
富士フイルムのスーペリア100をイメージした「クラシックネガティヴ」が新しく加わります。
現在クラシッククロームなど渋めな色調のフィルムシミュレーションをメインに使っている方には撮って出しでの表現力が広がるのではないでしょうか。
▼実際に屋外でクラシックネガを使って写真を撮ってみました▼
EVFがよりキレイに進化
X-Pro2で236万ドットだったEVFがX-Pro3では369万ドットの有機ELに進化します。
ファインダーのキレイさには無頓着な方なんですが、X-Pro2でマニュアルフォーカスのレンズのピントを合わせたい時に少し見づらいな…とは思っていました。
369万ドットという数字は主要なフルサイズミラーレスのカメラと比較すると
- パナソニックのS1R、ソニーα7RⅣ(576万ドット)
- キヤノンのEOSR、ニコンのZ7/Z6、ソニーα7RⅢ(369万ドット)
- ソニーのα7Ⅲ、キヤノンEOS RP(236万ドット)
となるので全く引けを取らない数字になっています。
また、X-Pro2よりもファインダー倍率が高く(0.66倍)なっているのでX-Pro3は特にEVFの強化を図ったのが良く分かります。
microUSBからUSB-Cに変更され充電も可能に
X-Pro2を使っていてとても不便なのがUSB充電が出来ないこと。
替えのバッテリーを忘れてきた日にはかっこいいオブジェと化するのが悲しい…。
X-Pro3ではUSBからの充電にも対応し、更に転送速度の速いUSB-C端子を備えています。
▼富士フイルム公認のAnkerのモバイルバッテリーはこちら▼
明瞭度設定とトーンカーブ設定が新たに追加
また明瞭度設定も追加され、既にあるシャープネスより写真全体をくっきりさせたりふんわりさせたい時に使う項目になるかと思います。
トーンカーブについては従来のハイライトトーンとシャドウトーンが1つの項目に統一されただけで、設定できる範囲は今までと同じとのこと。
低照度限界を-6EVに広がり暗所でのオートフォーカスが可能に
低照度でのオートフォーカスの限界がX-Pro2では-1EVでしたが、一気に-6EVにまで広がりました。
これによってかなり暗い場所(というかほぼ真っ暗)でもオートフォーカスが使えることに!
他に低照度限界が-6EVなのはキヤノンのEOS Rくらいですからその進化ぶりが良く分かりますね。
新たにカラークロームブルーが追加
X-T3から「カラークロームエフェクト」が追加されていましたが、更にブルー系に対しても彩度の高い諧調表現が難しい被写体に対しても深みのある色に仕上げることが出来るようになりました。
実際に使ってみましたが、ファインダーから見ても分かるくらい濃い青に変化します。
これは実際に試してみてほしいですね。
その他X-Pro2から追加される機能など
他にも
- センサーはX-T3と同じX-Trans™ CMOS 4で裏面照射型2610万画素
- Qメニューの改善(従来の16項目から12、8、4項目に変更可能)
- HDR撮影機能
- ブーストモードで最大フレームレートが200fpsに
- モノクロ調整機能にマゼンダとグリーンが追加
- グレインエフェクトのより細かい調整
- フォーカスリミッター機能の追加
- 動画のF-LOG撮影
が追加されます。
特に望遠レンズやマクロレンズを使う方にはフォーカスする範囲をあらかじめ決められるフォーカスリミッターは役に立つはず。
X-Pro3は買いなのか
X-Pro2から更に趣味性の高いカメラに進化しているので、触ってみて気に入ったら迷わず買うべき。
他のカメラにはない撮影体験をあなたに授けてくれる、それがX-Pro3です。
逆に触ってみてときめかなければ絶対に買わずにもっと便利なカメラ(X-T3や他のメーカー)を購入するはずなので潔いカメラかも知れません。
X-Pro3をX-Pro2やX-T3と比較してみる
X-Pro3をスペックで比較するのは個人的に無粋だと思っていますが一応並べてみましょう。
X-Pro3 | X-Pro2 | X-T3 | |
有効画素数 | 約2610万画素 | 約2,430万画素 | 約2610万画素 |
大きさ | (幅)140.5mm (高さ)82.8mm (奥行き)46.1mm | (幅)140.5mm (高さ)82.8mm (奥行き)45.9mm | (幅)132.5mm (高さ)92.8mm (奥行き)58.8mm |
重さ(バッテリー、カード含む) | 約497g | 約495g | 約539g |
撮影可能枚数(EVF時) | 370枚 | 250枚 | 390枚 |
EVF フレームレート | 有機EL369万ドット、100fps (残像感低減モード時200fps相当) | 236万ドット | 369万ドット、100fps |
EVF ファインダー倍率 | 0.66倍 | 0.59倍 | 0.75倍 |
低輝度性能 | -6.0EV | -1.0EV | -3.0EV |
ISO感度 | ISO160~12800(1/3ステップ) 拡張感度 ISO80/100/125/25600/51200(予想) | ISO200~12800(1/3ステップ) 拡張感度 ISO100//125/160/25600/51200 | ISO160~12800(1/3ステップ) 拡張感度 ISO80/100/125/25600/51200 |
手振れ補正 | レンズの手振れ補正のみ | レンズの手振れ補正のみ | レンズの手振れ補正のみ |
起動時間 | 約0.4秒 | 約0.4秒 | 約0.3秒 |
露出補正 | -5.0EV~+5.0EV | -5.0EV~+5.0EV | -5.0EV~+5.0EV |
連写 | 11コマ/秒 30コマ/秒(電子シャッター、1.25 X クロップ時) | 8コマ/秒 | 11コマ/秒 30コマ/秒(電子シャッター、1.25 X クロップ時) |
動画 | ・4K(4096×2160) 29.97p | 4K (3840×2160) 29.97p | ・4K(4096×2160)59.94P |
その他 | ・モノクロ調整 | ・アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー(長い) | ・液晶タッチパネル ・フィルムシミュレーションETERNA ・Bluetooth ・スポーツファインダーモード ・モノクロ調整 ・カラークローム・エフェクト |
X-Pro3の基本性能はセンサーが同じX-T3とほぼ同等です。
表には載せませんでしたがX-Pro2にあってX-Pro3にないものが1つ、HDMI端子がなくなりました。
特に大きなモニターに繋げて動画を撮りたい!という方には向きませんので注意しましょう。
動画性能そのものについては、X-T3よりも若干劣りますがX-Pro2より性能はアップしています。
X-T3と比較してX-Pro3を買うべき人は?
私も昔はX-T2とX-Pro2のどちらを買うべきか悩んでいました。
それは撮れる写真は基本同じで細かい性能や使い勝手の違いで選ばなければならない、というのも大きかったんですよね。
今回のX-Pro3は使い勝手がX-Pro2とは大きく異なり、さらに趣味性の高いカメラに仕上がっています。
- ファインダーよりディスプレイを見ながら撮影することが多い方
- 自分で設定できるボタンが多い方が好きな方
は迷わずX-T3を購入するべきでしょうし、そういうスペックを全部無視してでもX-Pro3が欲しい!と思える人だけがX-Pro3を手に入れることになるでしょう。
X-Pro2と比較してX-Pro3を買うべき人は?
スナップや風景写真など、動きが少ない被写体をメインで撮る方にはX-Pro2でも十分すぎる性能です。
子どもやスポーツ撮影などで動いている人物に(瞳に)ピントをしっかり合わせたい!という方はオートフォーカスの性能が高いX-Pro3の方がより撮影がしやすいことは間違いありませんが、X-Pro2でも撮れないことはありません。
X-Pro3という新しいカメラと共に新しい写真体験をしたい!という方は是非買ってほしい。
ただ、ボタンなど細かい配置も変わっていますので1度触ってみてから決めるのが良いでしょう。
ほぼしゅふ的まとめ:発売されたら買うしかない。
X-Pro3を購入するべき人はX-Pro3というデザイン思想と哲学にほれ込んだ人です。
X-Pro3を惚れ込んでしまったにも拘らず、機能や性能だけを比較してX-T3を購入しても絶対にX-Pro3を購入する事になるでしょう。
今まで色々なX-Proユーザーさんを見てきた中での結論(私を含めて)ですが、あながち間違ってはいないはず。
検討の参考になれば幸いです。
俺たちが好きなのはカメラなんだ
機能じゃない
そうだろう?
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