富士フイルムXシリーズのフラッグシップの一角を担うX-Pro2。
私はこのX-Pro2を使って人生変わったと言っても言い過ぎではないかもしれません。
この記事では実際に使っていて良い所も気になる部分も余すことなく書きました。
使う楽しさに溢れたカメラで、1度気に入ってしまったら是非とも手に入れて欲しいカメラです。
※2020年1月追記:手放して思ったことや作例を30枚ほど追加で掲載しました
X-Pro2について
X-Pro2 | |
有効画素数 | 約2,430万画素 |
SDカード | UHS-Ⅱ対応のデュアルスロット |
ISO感度 | ISO100~51200 |
露出補正 | -5.0EV~+5.0EV |
シャッタースピード | 60分~1/32000秒 |
連写 | 最高約1/8コマ |
大きさ | (幅)140.5mm×(高さ)82.8mm×(奥行き)45.9mm |
重さ | 約495g |
その他 | 防塵・防滴・耐低温仕様 4K動画 |
X-Pro2の主要スペックを並べてみましたが忘れてください。
記事のタイトルでもありますが、極論を言うとX-Pro2はスペックを見て買うカメラではありません。
発売から3年弱経過したこともあって、現在の富士のラインナップの中で最高のスペックという訳ではありませんので、他のカメラとスペックだけで比較しまうとX-Pro2に辿り着くことは難しいでしょう。
「X-Pro2、なんかいいな」
と思った人が買うことになるカメラです。
逆に価格や機能だけで選んでも幸せにはなれないカメラかも知れませんね。
X-Pro2を買うべきメリット
X-Pro2はとにかくイケメン
レンジファインダー型のX–Pro2はとにかくカッコいい、この一言に尽きます。
個人的には単焦点レンズと組み合わせた時の見た目が最高。
360度どの角度から見てもイケメンなフォルム、軍艦部の半ツヤ塗装、もうこれは工芸品。写真が撮れる工芸品です。
見てよし、被写体として撮ってもよし、もうそれだけでX-Pro2を買う価値があるんじゃないかな。
ファインダーを覗きながら写真が完結する
「VIEW MODE」ボタンを除けばすべてのボタンやダイアルがファインダーを覗いたまま右手で操作することが可能で、シャッターチャンスを逃しません。
慣れればシャッタースピード、ISO感度、絞り(レンズでもボディでも可能)のダイアルをファインダーを見ながら変えられるのはかなり便利。
何故、このボタンがこの場所に配置されているのか、デザイナーの意図が伝わってくるカメラってなかなか無いのではないでしょうか。
チルト液晶が付いてないことを指摘する方もいますが、これもデザインを考えるとチルト液晶が付いていないことについても納得できますし、私はX–Pro2には必要ないと考えます。
OVFとEVFを切り替え出来るという楽しさ
ミラーレス一眼と呼ばれるカメラのファインダーにはほぼすべてはEVFと言われる電子ファインダーが搭載されていますが、X–Pro2にはアドバンスドハイブリッドマルチビューファインダー(覚えられない)が搭載。
これは、
- 電子ファインダー(EVF)
- 光学ファインダー(OVF)
- エレクトロニックレンジファインダー(ERF)
という3種類のファインダーが切り替えられるシステムになります。
特にエレクトリックレンジファインダーは光学ファインダーの中に拡大表示した電子ファインダーを表示することが可能。
光学ファインダーではマニュアルフォーカスのピント合わせが難しいという弱点を克服したといっても良いかも知れません。
普段は仕上がりが分かるEVFでの撮影が殆どですが、「OVFで背面の液晶もOFF」にして撮影して、帰って来てから撮った写真を見て楽しむフィルムカメラのようなスタイルも楽しいですよ。
ちなみにOVFは
- 望遠レンズではフレームが小さくて見えづらい
- XF16-55mmF2.8 R LM WRのような長いレンズだとフレームに割り込んでくる(ケラレ)
- 広角レンズでは画角の全てが写り切らないパララックス(視差)が生じる
ので、どんな場面でも使える訳ではない事は購入する前に注意しておきましょう。
LCD液晶のキレイさ
X–Pro2は背面の液晶も162万ドットと、Xシリーズのどの機種よりもキレイです(2018年現在)
これの何が良いかというと、
写真を撮る
↓
撮れた写真が画面上でキレイに見えてテンション上がる
↓
もっと写真が撮りたくなる
という良いスパイラルが出来上がります。
私もX–T2からX–Pro2に変えてから写真が上手くなった気がしてますが(ホントに気がするだけですが)この効果が大きいと感じます。
シャッター音の気持ちよさ
シャッター音が良くても撮った写真には1ミリも関係ない、そう思っていた時が私にもありました。
しかしX–Pro2のシャッター音は心地よい音でもっと写真が撮りたい気にさせてくれます。
シャッター音が気持ち良い
↓
たくさん撮るので良い写真が生まれやすくなる
と、こちらも良い循環が生まれます。
私の中では背面の液晶と同じくらい重要な要素になっています。
暗所での高感度撮影にも十分使える
富士フイルムのノイズは自然であまり不快に感じないと思っていますが、こだわる人はISO3200くらいまでかな、という印象です。
フィルムシミュレーションのACROSなどを使う時にはむしろ高感度のノイズが味になるので12800でも積極的に使っても良いかと思ってます。
追記:α7RⅢを最近使っていて感じるのはフルサイズとの感度を上げた時のノイズ。
明るい場所での撮影なら感度を上げても全く気になりませんが、暗い場所での撮影だとISO800でも気になる時は気になりますね。
まとめ:写真を撮るのが楽しくなるカメラ
以下で気になる部分も書いていますがX-Pro2は完全なカメラではないです。
その代わり持ち出すのが楽しくなるカメラで、ファインダーを覗いてシャッターを切りたくなって、撮っていて楽しい。
そんなカメラってなかなか無いんじゃないかな。
X-Pro2を使うと気になる部分について
バッテリーの持ちが良くない&USB充電できない
他のXシリーズもそうですが、バッテリーの持ちが悪いです。
特にX–Pro2は最近の機種では標準の『USB充電』が出来ないので純正のバッテリーを最初から2つは付けて欲しいくらい。
出先で予備バッテリーを忘れて何度カメラが置物になったことか…。
これは後継機のX–Pro3が出る時には改善して欲しいですし、改善するでしょう。
追記:X-Pro3にてUSB-Cでの充電に対応しました
性能や機能性はX-T3やX-H1の方が上
X–T3やX–H1にはあるけど、X–Pro2には付いてないという機能が多いです。
例えばフィルムシミュレーションのエテルナをはじめ、フォーカスブラケットや動画のF–LOG撮影など。
オートフォーカスがX-T3より遅くなってしまうのはセンサーの世代が違うので仕方ないにしても、X–Pro2で全ての機能が完結していない事がもどかしい…。
X–Proシリーズは写真を撮る為のカメラと言われればそれまでですが、フラッグシップなら機能性の違いでカメラを追加で買わないで済むようにしてくれたら嬉しいというのが本音です。
手振れ補正が欲しくなる
これも隣の芝生(X–H1)をみると欲しくなりますが、X–Pro3になっても搭載されない気がするので無くても良いかな…と思うようにしてます。
いや、付けてくれるなら泣いて喜びますけどね。
付かないだろうな…。
X-Pro2を使っているとライカが気になってくる
1番気になるのがコレです。
X–Pro2を購入すると今度はレンジファインダーの原点にして頂点であるM型ライカを始めとしたライカ製品が気になり始めます。
なぜ、富士フイルムのカメラを買ったのにライカのカメラを気にしないといけないのか。笑
私が知っているだけでもX–Pro2の購入を経て、フィルムやデジタルのライカを購入している方を見かけます。
富士フイルムのカメラ買ったのにライカが気になる、って健全ではないので(特に経済面で)ちょっとやめて欲しいかなって思いますね、誰に言ってるんだって話ですが。
私がX-Pro2と一緒に使ってるレンズについて
子どもやスナップを撮るのがメインなので広角~中望遠のレンズをメインに使用しています。
XF18mm F2 R
とにかく軽くてコンパクトなので、気軽に持ち出したい時や子どもと一緒にその「場所」や「雰囲気」まで写したいたい時に重宝しています。
広角スナップとしても癖のない画角なので使いやすいですね。
▼XF18mm F2 R の他の作例やレビュー▼
XF56mm F1.2 R
フルサイズ換算85mmのこのレンズは正にポートレートレンズ。
あまり被写体に寄れるレンズではありませんが、F1.2と明るいので背景ボケも楽しめます。
また望遠という画角は切り取るスナップを使うには最適。
写真をシンプルにまとめたい時に重宝してます。
個人的には中望遠があればそれで良かったり。
▼XF56mm F1.2 Rの他の作例レビュー▼
XF16-5mm F2.8 R LM OIS WR
富士フイルムのハイクオリティなズームレンズ。
単焦点レンズと遜色ない写りで広角から中望遠までカバーするのでこれ一本で上がりでも問題なしな一本。
ただX-Pro2で使うにはカメラのグリップ力がないので少し重く感じるのが玉に瑕。
それでも手放さないのは他のレンズでは両立出来ない「写り」と「使い勝手の良さ」ゆえでしょうか。
▼XF16-55mm F2.8 R LM OIS WRの作例とレビュー▼
NOKTON Classic 40mm F1.4 S.C
コシナが製造しているライカMマウント用レンズ。
とにかく渋い色味とフィルムシミュレーションのクラシッククロームとの相性が抜群。
開放でのソフトな写りと絞った時のシャープな写りの2面性が良い意味で今っぽくないレンズです。
絞り開放ならピント面が薄くてシビアですが、外しても味になるなと気楽に思えるので気に入ってます。
▼NOKTON Classic 40mm F1.4 のファーストインプレッションを書いた記事▼
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF.2
同じくコシナで販売していたマクロプラナーの50mm、今ではMilvusの名称で販売されています。
富士フイルムで使うには絞り操作が必須なので私が持っているのはニコンFマウント用。
とにかく解像感と立体感が圧巻で、これがツァイスか…となること請け合い。
▼Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF.2のファーストインプレッションの記事▼
X-Pro2を買いたいと思っている方へ
X-Pro2を買うべき人
- X-Pro2の見た目が気に入った人
- カメラの質感にこだわる人
- カメラに完璧を求めない人
もしX-Pro2が気に入って頭の中から離れられないなら、買ってしまう事をオススメします。それだけの価値がこのカメラにはあります。
他の機種とX-Pro2、どちらを買うか悩んでいる人もX-Pro2を買いましょう。
私の様に違う機種を買ったとしても、やっぱり気になってX-Pro2を買うという遠回りをすることになりますよ?
X-Pro2がちょっと大きくて重いな、と思ったら
X–Pro2を始めて持った時にもしかしたら意外と大きくて重いな、と思う方が居るかも知れません。
しかしこれは気にしない方が良いです。
私も最初そう思っていましたが大きさや重さって慣れるもの。
むしろちょっと大きくて重い方が手振れしなくて丁度良いんじゃないか?
と、メリットに感じてるのが今の私です。
自分の直感を信じて、それに素直に従うことをオススメします。
X-Pro3とどちらを購入すべきか
X-Pro3が発売されても色褪せないのがX-Pro2の魅力。
全身マグネシウムボディのX-Pro2もデザインの完成度は高く、所有欲という意味では全く引けを取りません。
- 出来るだけ速いオートフォーカス
- 見やすいファインダー
- ディスプレイのチルト機構
- チタンボディ
- クラシックネガ&エテルナ
が欲しい方はX-Pro3の方がおすすめですが、それ以外の方はX-Pro2でも満足できるはず。
X-Pro2を手放して思ったことと
約2年ほど所有していましたが手放しました。
しかし、手放したことを後悔してます。
デザイン、持った時の感触、シャッター音。
どれも最高で離れてみて分かることってあるんだなって。
X-Pro2を手に入れたことで写真を撮るのが本当に楽しくなったし、そのおかげで腕も少し上達した気もします。
ただカメラに頼っていた部分もあるんじゃないかと思って今は封印しています。
更に写真の腕を磨いたら必ず手に入れます。
X-Pro2の作例
今まで撮った写真を載せておきます。
取り留めもなく30枚ほど選んでみました。
思えばこのカメラを持ったことで光と影を意識することが多くなった気がします。
そして決して軽くはないけど持ち歩きたくなるデザインなのが良いなと改めて思います。
どんなカメラでも持って出かけないと写真は撮れませんから。
「旅したくなるカメラ」それがX-Pro2と言えるでしょう。
ほぼしゅふ的まとめ
振り返ってみるとX-Pro2本当に良いカメラだなって思います。
今のデジタルカメラとは一線を画す趣味性が高いカメラだからこそ楽しめることがある。
使ったことがなければ一度は触ってみてほしい。
心からそう思えるのがX-Pro2です。
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