富士フイルムの高級コンパクトカメラと言えばX100F。
そのX100シリーズ譲りの高画質を実現しつつ、コンパクトでユーザーフレンドリーな使い勝手を両立したカメラがX70です。
使い始めて半年が経過した現在の私が感じているX70ついて本音を書きましたので、参考になれば幸いです。
発売が終了しているX70を購入した理由
ずっとX70の後継機を待ちわびていました。
しかし待てど暮らせど噂らしい噂も殆ど出ないので、痺れを切らして状態の良い中古を手にしました。
カメラのデザインについて
APS-Cのセンサーを積んだXシリーズのカメラとしては最も小さいX70ですが、デザインはとても洗練されています。
Xシリーズらしいクラシックでいてモダンなデザインはきっと10年後に出会ってもも変わらずおしゃれでしょう。
角ばったデザインですが、各所に面取りも行なわれているので想像以上に優しい触り心地です。
私はX70のレンズキャップも気に入っていて、レンズフィルターなども付けずにそのまま使用してます。
レンズキャップの取り外しが煩わしいと感じる方には、少し厚みが出ますがこちらの「X-CAP2」という商品を使うことでキャップの取り外しから開放されますよ。
撮影と画質について
X70の写りはかなりシャープで、優秀な描写をするという印象です。
iPhoneに近い画角
フルサイズ換算27.75mmとiPhoneのカメラの画角に近いので初めてカメラを買う方でも違和感無く使う事が出来ます。
私の様に子どもの写真メインの方だと、この画角ですと色々なものが入り込みすぎて使いづらいと感じる方もいるかも知れません。
ウチは3人兄妹なので、子ども全員+周りの情報を一緒に撮りたい時に使う事が多いです。
かなり被写体に寄って撮影できる
X70に近い焦点距離のフジノンレンズ、「XF18mm F2 R」を参考に比較してみましょう。
XF18mm F2 Rの最短撮影距離は18cmですがX70は約10cmまで寄ることが可能です。
さらにカメラからの出っ張り具合では2cm以上厚さに違いが出ます。
もともとXF18mm F2はパンケーキ状の薄いレンズである事を考えるとこれはすごいの一言。
レンズの設計に自由度が生まれるコンパクトカメラならではでしょう。
ズームは出来ないけどデジタルテレコンが大活躍
X70には画角を変える事が出来るデジタルテレコンバーターが搭載されていて、
フルサイズ換算で27mm、35mm、50mmの3種類の画角を楽しむ事が出来ます。
50mmのデジタルテレコンで被写体に寄って撮影すれば簡易マクロ撮影も出来るのが嬉しい所。
上のタンポポの写真もデジタルテレコンで50mmにして寄って撮影したものですが、中央部の解像感は十分ではないでしょうか。
テーブルフォトにも使いやすい
被写体にも寄れるカメラなのでテーブルフォトにも最適です。
ただ、そのままだと広角でパースがつきすぎるので、こちらもデジタルテレコンを使って適宜画角を変える事で対応します。
デジタルテレコンを使うと画質がすごく劣化するイメージですが、意外とそんなこともないので、JPEG撮って出しで良ければ思い切って使って良いと思いますよ。
星だって頑張れば撮れる
X70が積んでいるセンサーは一眼レフなどで使われる大きさのセンサーと同じ大きさのもの。
ファインダーはありませんが、拡大してピント合わせをする事も出来るので天の川だって頑張れば撮れます。
こんな小さいカメラでもこんなにキレイに星が写るんだと思うと感動ものですよ。
AF-Cは実用的ではないと思ったほうが良い
オートフォーカス、特に動体撮影で使うAF-Cモードはあまり使えないと思ったほうが良いです。
AF-Sでも普段使っているX-Pro2と比べると、ピントが合う時間はワンテンポ遅れて合掌する印象。
AF-Cはあまりにレンズからガコガコ音が鳴るのでAF切り替えレバーを意図せず切り替わっていた時には「壊れたかな?」と思うほど。
あまり期待しない方が良いでしょう。
もっと広角が欲しいときは…
フルサイズ換算27mmを使って風景などを撮っているともう少し広角が欲しくなるときもあるはず。
そんな方には純正のワイドコンバージョンレンズがあるので、装着すればフルサイズ換算21mmのレンズとして使う事が出来る様になって撮影の幅が広がりますよ。
機能と操作性について
チルト液晶で自撮りも可能なのが嬉しい
軽い事と液晶画面が可動するチルト式液晶が相まってローアングルとハイアングル撮影が捗ります。
特にサッと子どもを撮る時に、子どもの目線に合わせた写真を屈まなくても撮る事が出来るので重宝しますよ。
また液晶を180度動かして自撮りを撮る事も可能で、写真に収まるのが2人くらいまでなら腕を伸ばせば撮る事も十分に可能です。
とにかく様々な撮影に対応出来るのがX70の良い所。
タッチパネル式がとても便利
Xシリーズの中でもいち早くタッチパネル式の液晶が使われています。
ピント合わせはもちろん、液晶をタッチすればシャッターを切る事も出来ますよ。
手振れ補正が無いけど大丈夫?
個人的には明るい単焦点レンズになりますし、そこまで手振れを気にしたことはありません。
シャッタースピードの設定を不安な人は感度のAUTO設定から低速シャッター限界を1/80~1/100秒くらいにすれば手ブレを気にせず撮影できるはず(私は1/60秒に設定しています)
左十字ボタンが致命的に押しづらい
これは男性の方が使うと必ず感じる部分ですが、チルト液晶がカメラ本体から少し出っ張っているせいで、左十字ボタンがとても押しずらいと感じます。
指が細い女性の方ならそこまで気にせず使う事も出来るかも知れません。
動画録画ボタンが押しずらい
もう1つ残念なポイントとして、動画を録画したときに使うボタン(写真の軍幹部の赤い○ボタン)が小さくて押しずらいのが惜しい…。
録画を停止しようと思ってもボタンが小さすぎてなかなか押すことが出来ません。
これも爪の長い方などはそこまで気にする必要は無いかもしれませんが、私の様な一般男性には厳しいと思って良いでしょう。
ファインダーが無いことについて
X70にはファインダーが付いていません。
ファインダーが欲しい人はそもそもX100Fを選ぶべきかなって思いますが、それでも欲しい方には純正で外付けのビューファインダーも用意されているのでそれでも良いでしょう。
携帯性について
ポケットに入るコンパクトさ
レンズフィルターなどを装着しなければ何とかパンツのポケットに収納することも可能です(ちょっとキツイけど…)
現実的にはジャケットの中に入れたりする事が多いのですが、やっぱり小さいのは正義。
持ち運びの際に苦に思った事はありません。
重さは意外とズッシリ
小さいX70ですが意外と手に持つとズッシリしてます( 340g )
凝縮された重さとでも言いましょうか。
コンパクトカメラという気持ちで持つと少し重く感じるかもしれません。
バッテリーの持ちについて
個人的にはがっつり写真を撮る時に持っていくカメラでは無いので、電池の持ちを気にした事はありません。
USB給電が地味に便利
それでも写真をいっぱい撮ったり、充電するのを忘れていてもモバイルバッテリーを持ち歩いていればマイクロUSBから給電できるんですが、これが思いのほか便利なんです。
充電を忘れたことに途中で気付いても、移動中にUSB給電しておけばOK。
サブカメラとして使ってみて
私は以前X-T2を使っていて、そのサブとして便利に使えるX70を購入しました。
実際に使ってみると便利すぎてX-T2を使う機会が激減してしまい、
と思ってX-Pro2に買い替えてしまいました。
今ではうまく使い分けも出来ているので本当にX70は万能なカメラだなとしみじみ感じます。
ほぼしゅふ的まとめ
X70は
- 軽量コンパクト
- 画質
- 使い勝手
を高い次元で実現したカメラで、生産終了した今でも問題なく使える素晴らしいカメラです。
それでも個人的にはこのX70の後継機が早く欲しい…!
最新のセンサーを積んで、子どもの素早い動きにも対応出来るレベルのオートフォーカスが搭載されたら…と思うと胸が高鳴ります。