ついにX-T2の後継機、X-T3が発表されました。
フラッグシップモデルのX-H1の購入を我慢してX-T3を待っていた方も多いかも知れません。
今回は
- X-T3について分かっていること
- 元X-T2ユーザーとして期待すること
- 現在発売されている機種(X-H1、X-T2)と比較して買うべき方
についてまとめました。
※9/6に大幅に加筆・修正しました。
X-T3はどんなカメラ?
X-H1という動画に強いカメラが存在する以上、動画も強化しつつ、スチル(写真)性能をさらに磨いたカメラになりました。
特徴をまとめると
- カラーはブラックとシルバー、見た目はX-T2とほぼ同じ
- センサーは裏面照射型
- 2610万画素の新開発X-Trans CMOS 4センサー
- AF測距点は425点
- 瞳AFをAF-C設定時にも対応
- メカシャッターで11コマ/秒、電子シャッターで最高30コマ/秒
- 動画は4K60p
- ISOのベース感度が200から160に
- ボディ内手振れ補正は搭載されない
- バッテリー性能が改善
- 「プリ撮影」機能が搭載
- タッチパネルを搭載
- 新しいフィルムシミュレーションは無し(エテルナは付く)
- カラークローム・エフェクトをXシリーズに初搭載
- EVFはX-H1と同じ約369万ドット
- 生産は日本ではなく中国
- X-T2よりも安くなりそう
といった感じ。
個別に詳しく見ていきましょう。
カラーは2色、X-T2と見た目はほぼ同じ
色はブラックとシルバーの2色展開です。
X-T2では最初はブラックのみで、後にグラファイトシルバーが発売されました。
このグラファイトシルバーとX-T3のシルバーは違います。
外観やボタンの配置もX-T2からほぼ同じでキープコンセプト。
軍艦部のドライブダイアルと測光ダイアルがX-T2に比べて肉厚で操作性が向上。
他にもグリップが肉厚で握りやすくなってます。
これは地味ですが、とても使いやすくなるので良い!
センサーは裏面照射型の2600万画素X-Trans CMOSセンサー
富士フイルムでは同じシリーズの後継機が出るごとに新しい世代のセンサーに変わります。
今回のセンサーは約2610万画素、富士フイルム独自の「X-Trans CMOS 4」センサーを搭載予定です。
センサーは、よりも高速でノイズも少ない、裏面照射型センサーに進化しました。
AF測距点は425点
X-T2では高速かつ正確にピントを捉える像面位相差AFの測距点は91点(位相差AF以外で325点)でしたが、
X-T3ではセンサー全域、しかも425点で像面位相差AFが効きます。
※実際のAFの速さは画像処理エンジンやレンズのモーター性能にも左右されます
α6500が発売されたのが2年前ですから、それぐらいは超えて欲しいとは思いつつも、ついに富士フイルムもそこまで来たか…と感慨深いですね。
瞳AFをAF-C設定時にも対応
今まで瞳AFはAF-Sでのみ使用できましたが、AF-C設定時にも対応しました。
これで子どもが動いている状態でも素早く正確なピント合わせが可能に。
更に横顔など、今まで顔検出や瞳AFが難しかったシーンでも高精度に合焦するとのこと。
最高で30コマ/秒の連写性能
X-T2ではバッテリーグリップ装着時のみでしたが、X-T3ではボディ単体で最高11コマ/秒に!
さらに画像を1660万画素にクロップ(切り抜いた)した写真なら最速30コマ/秒のブラックアウトフリーの高速連写が可能とのこと!
「プリ撮影」機能が搭載
シャッター半押し状態から全押しまでの間の写真を記録される「プリ撮影」機能が搭載されます。
現在パナソニックで使われている4K(6K)連写に近い機能でしょう。
スポーツファインダーモードと同じ1660万画素で電子シャッターの約30コマ/秒、半押し中に最大20枚、全押し後に最大20枚の合計最大40枚の写真が撮影可能です。
動画は4K60p
ついに富士フイルムでも4K動画が60pで撮れます。
追記:さすがに動画に無知すぎて適当すぎたので以下を追記しました
X-T3ではF-Log撮影時にX-T2からの8bitから10bitでの撮影が可能になり、色の情報が増えました。
さらにハイブリッドログガンマ方式での撮影にも対応しており、明暗差の激しい場面でも黒潰れや白飛びを抑えることが可能。
富士フイルムは今まで動画では遅れをとっていましたが、オートフォーカスの改善と合わせて一眼動画として一気にトップグループに踊り出たと言ってよいでしょう。
ボディ内手振れ補正は搭載されない
かなり早くから噂されていましたが、X-T3にはボディ内手振れ補正は搭載されない模様。
当分X-H1シリーズにしか搭載しない予定なのでしょうか。
せっかく強力なボディ内手振れ補正を確立したので他の機種にも横展開して欲しいのは私だけじゃないはず。
ISOのベース感度が200から160に
既にISO感度160は拡張感度として存在していましたが、これからはベース感度は160からとなるそう。
追記:標準感度の最高は12800、拡張で51200となるそうです。
センサーが一新された事で、ISO感度を下げてもダイナミックレンジの広さを確保出来たのかもしれませんね。
【参考記事】富士フイルムのミラーレスのISO感度はなぜ200始まりなのか調べてみた
EVFはX-H1と同じ約369万ドット
X-T3はX-H1と同じ約369万ドットの有機ELファインダー。
現状富士フイルムで最高のEVFを積むようで一安心。
バッテリーはそのままで持ちが少し改善
バッテリーはこれまでと同じNP-W126Sですが、X-T2やX-H1よりもバッテリーの持ちが良くなり、撮影枚数が増え増した。
正直、微増かな?って感じですが撮影枚数が減るよりは良いかな。
バッテリーグリップはX-T1からX-T2に変更された時も新しくなったので、X-T3もそうなるという事かな?
【参考記事】富士フイルムの予備バッテリーに互換品ってどうなの?X-T2の4K動画で使えるか試してみた。
タッチパネルを搭載
X-E3、X-H1とタッチパネルを採用してきていますのでX-T3にも順当に搭載される見込み。
タッチパネルは好き嫌いが分かれるかもしれませんが私は肯定派。
使わなければタッチパネル機能はOFFにすれば良いですからね。
新しいフィルムシミュレーションは今の所なし
今の所、X-H1の時のエテルナの様な新しいフィルムシミュレーションは登場しない予定です。
※エテルナは搭載されて全部で16モードになります
今後出る可能性はあるかもしれませんね、というか出て欲しい!
また、新しいフィルムシミュレーションはありませんが、「モノクロ調整」機能が付きました。
「モノクロ調整」機能は、通常の「モノクロ」と、滑らかな階調表現、引き締まった黒、美しい質感再現を実現する「ACROS」で使用可能です。
との事。
カラークローム・エフェクトをXシリーズに初搭載
GFX50Sに既に搭載されて好評の「カラークローム・エフェクト」をセンサーが進化した事でXシリーズに初めて搭載されます。
「カラークローム・エフェクト」についてはこちらの記事を読むと理解が深まりますよ。
生産は日本ではなく中国
X-T20やX-E3は既にメイドインチャイナでしたが、ついにX-T3も中国製に…。
これで国内生産のXシリーズはX-H1とX-Pro2とX100Fだけに…。
ちょっと悲しいですね…。
USB-C搭載でANKER製品での充電可能に!
カメラ本体に新しくUSB-C端子が付きます。
富士フイルム公式でANKERの急速充電器、
Anker PowerCore+ 26800 PD
Anker PowerCore Speed 20000 PD
を使用しての急速充電が可能になりました。
発売は9月20日、価格はボディのみで18万円、発売記念キャンペーンも!
出荷が9月20日の予定です!早い!
欲しい方は早急にお金の工面をしておきましょうね。
価格は9/6現在、カメラのキタムラで18万円弱なので妥当かな?といった感じ。
今はX-H1が3万円キャッシュバックキャンペーンをやっているので悩ましいですね。
そして今なら予約宣言をしてから購入すると1000名にSanDiscの32GBでUHS-Ⅱの高速SDカードが貰えます。
さらに購入して応募した全員にバッテリーかSDカード&バッテリー収納ポーチが貰えます。
元X-T2ユーザーの私がX-T3に思うこと
やっぱりボディ内手振れ補正は欲しかったな~というのが正直な感想。
とはいえX-T3に搭載するとX-H1と丸被りなので、その分価格を下げて差別化を図っていくのかな。
個人的にはアマチュアが使う機材にこそ、手振れ補正が必要だと一貫して思ってますのでツラい…。
軍艦部のダイアル(ドライブモードとか)が厚くなって回しやすく改善されているのは素直に良いですね!
バッテリーはもう少し根本的に見直さないといけないと思っているんですが、X-Pro3やX-H2が出る頃にはなんとかしてくれるかな?期待。
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X-T3をX-H1、X-T2と比較してみた
X-T3、X-H1、X-T2の3つのカメラを簡単に比較してみました。
個人的に優れていると思っている部分は赤くしてあります。
X-T3 | X-H1 | X-T2 | |
有効画素数 | 約2610万画素 | 約2430万画素 | 約2430万画素 |
大きさ | (幅)132.5mm (高さ)92.8mm (奥行き)58.8mm | (幅) 139.8mm (高さ) 97.3mm (奥行き)85.5mm | (幅) 132.5mm (高さ) 91.8mm (奥行き)49.2mm |
重さ(バッテリー、カード含む) | 約539g | 約673g | 約507g |
EVF フレームレート | 369万ドット、100fps | 369万ドット、100fps | 236万ドット、100fps(BOOSTモード時) |
ISO感度 | ISO160~12800(1/3ステップ) 拡張感度 ISO100/25600/51200 | ISO200~12800(1/3ステップ) 拡張感度 ISO100/25600/51200 | ISO200~12800(1/3ステップ) 拡張感度 ISO100/25600/51200 |
手振れ補正 | レンズの手振れ補正のみ | 5軸ボディ内手振れ補正(最大5.5段分) | レンズの手振れ補正のみ |
起動時間 | 約0.3秒 | 約0.4秒 | 約0.3秒 |
露出補正 | -5.0EV~+5.0EV | -5.0EV~+5.0EV | -5.0EV~+5.0EV |
連写 | 11コマ/秒 30コマ/秒(電子シャッター、スポーツファインダーモード時) | 8コマ/秒 11コマ/秒(バッテリーグリップ装着時) 14コマ/秒(電子シャッター) | 8コマ/秒 11コマ/秒(バッテリーグリップ装着時) 14コマ/秒(電子シャッター) |
動画 | ・4K(4096×2160)59.94P | ・4K(4096×2160)24P ・4K(3840×2160) 29.97p ・フルHD120P | 4K (3840×2160) 29.97p |
その他 | ・露出補正ダイアル ・液晶タッチパネル ・・フィルムシミュレーションETERNA ・Bluetooth ・スポーツファインダーモード ・モノクロ調整 ・カラークローム・エフェクト | ・軍艦部上部に液晶 ・フィルムシミュレーションETERNA ・Bluetooth ・液晶タッチパネル | 露出補正ダイアル |
X-H1と比較してX-T3を購入するべき人は?
ポイント
- 出来るだけカメラのボディが大きくない方が良い方
- 動画をあまり撮らない方
- 屋内より屋外の明るい場所で撮影する事が多い方
- 富士フイルムで最も速い連写とAFが欲しい方
X-H1はX-Tシリーズよりも大きいですが、堅牢性とボディ内手振れ補正が優れています。
特にボディ内手振れ補正は動画と暗所でシャッタースピードが確保出来ない場所での撮影には非常に重宝します。
逆に言えば動画撮影や、暗い場所で撮影しない方には絶対に必要な機能ではありません(あった方が良いに決まってますが)
ボディ内手振れ補正よりも連写速度や高速なAFに磨きをかけたX-T3を選択するのもアリでしょう。
X-T2と比較してX-T3を購入するべき人は?
ポイント
- できるだけオートフォーカス性能と連写性能が高いカメラが欲しい方
- タッチパネルがどうしても欲しい方
- 出来るだけ性能と機能が優れているカメラを安価に購入したい方はX-T2
AFの性能は間違いなくアップしているX-T3ですが、型落ちになってしまうX-T2でも既に十分な基本性能を誇ります。
現在分かっている情報ではX-T2に出来てX-T3に出来ない事は殆どありません。
- 動体撮影がメインの方
- 星景撮影などISO感度を上げて撮影する方
にはX-T3を購入すれば特に進化を体感出来るかも知れませんね。
私の様なちょこちょこ動く子供たちを捉えるのにも、X-T3の方がオートフォーカスが粘って追いかけてくれそう。
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ほぼしゅふ的まとめ
私はX-Pro2が気に入っているのですぐにX-T3に飛びつく事はないですが、値段もリーズナブルで使いやすい機種になっています。
特に写真をメインにしている方にはX-T3は魅力的なカメラに仕上がっていますので、いっぱい売れないかな。
ニコンやキヤノンもフルサイズミラーレスを出して追随しているミラーレス市場ですが、あえてAPS-Cで最高のカメラを出している富士フイルムに頑張って欲しいですね!
実機を触るのを楽しみに待ってます!富士フイルムさん!