ついに先日X-Pro3が開発発表されましたね(正式発表は10月23日の予定)
ここまで攻めた機種を出すとは、詳細な噂のなかった7,8月頃までは夢にも思っていなかったのではないでしょうか。
かく言うX-Pro2ユーザーである私も全く想定してなかった進化に戸惑い、思考が追いつきませんでした。
ようやく冷静になったのでX-Pro3にいて私なりの考えを書いていきます。
結論、X-Pro3はこれで良い。
X-Pro3について、X-Pro2からの変更点を分かる部分でおさらい
まずはX-Pro3になって変更された大きな部分について。
- 見た目はほぼ変わらず
- 外装がチタン
- 色は3種類
- 1軸チルト液晶に変更(撮った写真は蓋を開かないと再生できない)
- 背面には小さい液晶(設定やフィルムシミュレーションを確認できる)
- 十字キーの廃止
- その他各種ボタンの位置変更
- 新しいフィルムシミュレーション(クラシックネガティヴ)
- カメラ本体でのトーンカーブの設定
などでしょうか。
この辺についての私の思いは後述しますが、見た目はほぼそのままにも関わらず攻めたカメラになってます。
X-Pro3で求められていたもの(世間的に)
世間では開発が発表されるまで、X-Pro2の正統な進化としてのX-Pro3を期待している空気がありました。
たぶんこんな感じ。
噂段階ではボディ内手振れ補正を載せる情報もあったので期待していた人も多いはず。
しかし、実際には
こんな感じでかなり変化球な機種を発表したんですから、賛否両論出るのは当然でしょう。
X-Pro3はなぜこのような形になったのか
X-Pro3がなぜこんな攻めた機種になったのか。
これはX-Pro3の開発にも携わっている上野隆さんらの影響が強いのでは、と私は思います。
上野隆さんについて
上野隆さんはフィルムカメラのKLASSE (WとS)の開発に携わり、現在はX100やX-Proシリーズに携わっている方。(2019年現在 富士フイルム 光学・電子映像事業部の営業グループ統括マネージャー)
上野さんは「デジタル時代にフィルムで撮る写真愛好家を増やす」というミッションを富士フイルムで行なってきた大のフィルムカメラ好き。
そんな上野さんのインタビューの中にX-Pro3のヒントになるような事が書かれていました。
バランスを考えることなく振り切ったカメラが、レンジファインダースタイルのX-Pro2です。これはもっとスナップに特化したようなカメラで、大好きな人は大好きですが、受け付けない人は全く受け付けられないようなカメラになっています
(中略)
Xシリーズのコンセプトは"カメラの原点"です。それは『カメラは写真を撮る機械である』ということであり、どうすればシャッターチャンスに良い写真を撮れるのかを愚直に追求するということです。だから我々には、スペックさえ良ければいいという考え方はありません。常に時代は便利な方向へ向かっていますが、私たちはカメラに求めるものを一切フィルム時代と変えていません
X-Pro3がより趣味性の高い、フィルムライクな形で尖った機種として作られたのは必然とも言えるでしょう。
X-Pro3ついて個人的に良いと思ってる所
ここからはX-Pro2から変更されてすごく楽しみな部分について語りたい。
外装がチタンとかもう最高
昔のフィルムカメラやライカの一部の機種、腕時計などに使用されているチタン。
強度が高く、質感も高いのが特徴です。
しかし高価で加工も難しく、放熱に関しても弱いと聞きます。
この時代の国産デジタルカメラにチタンを使うという選択、普通ありえません。
もうチタンってだけで買いですが、私の場合はフィルムカメラのニコンF3のチタンモデルを買おうかずっと悩んでいたので、既にX-Pro3が実質4万円安くなった様なものだなって思いました。
※ニコンF3のチタンの中古相場が4万円くらいなので
新しいフィルムシミュレーション
試しにプロビアと比較してみた
新しくフィルムシミュレーション「クラシックネガティヴ」が追加されます。
普段、X-Pro2ではプロビアとクラシッククロームをメインに使っていますが、このクラシックネガティヴも楽しめるんじゃないかと期待してます。
更に言うとX-Pro3にはエテルナも当たり前に追加されているでしょうし、X-Pro2ユーザー的には新しいフィルムシミュレーションが2つ増えますね。
X-Pro3について個人的に不安な所
そんなX-Pro3ですがもちろん不安はあります。
十字キーがない
十字キーがないのはかなり不安。
普段X-Pro2で設定を変更する際にほジョイスティックではなく十字キーを使用しています。
また、撮影時には十字キーをカスタムボタンとして頻繁に使う項目を呼び出せる様にしていて便。
というよりX-Tシリーズに比べてカスタム出来るボタンが少ないのに更に減るとか心配じゃない方が嘘になります。
背面液晶がない
背面液晶がないので撮った写真はチルトして液晶を開かないと確認できません。
X-Pro2では
撮る→キレイな液晶で写欲がアップ→更に撮るのが楽しくなる
というワークフローが出来上がっていましたが、X-Pro3でこれはかなり面倒くさい…。
まぁなんとかなるよね、きっと。
不安要素を書きましたが、これは富士フイルムの開発陣には想定済みだと思うんですよね。
例えば背面液晶だって一軸チルトじゃなくてオリンパスPEN-Fの様にバリアングルにすれば、使い方はその人に委ねることだった出来たでしょうから。
他にもゴミ箱の位置がX-Pro2から変更されてるんですが、そこに配置する?ってくらい離れた場所にあります。
そんなプロダクトデザインから考えて出た私の結論は、
「X-Pro3は徹底的に写真を撮る為だけに没頭してもらうカメラ」
なんじゃないかということです。
撮影している時には撮った写真確認してないでもっと写真撮りなさいよ、と。
あくまでも写真を見返すのは撮り終わってから。
そんなフィルムカメラのような撮影体験をデジタルでして欲しい。
そう言われている気がしてならないんです。
不安もありますけど、私は開発の上野さんを信じる。
(余談)X-Pro3は売れるのか?
はっきり言いますが、富士フイルムのカメラが好きな私でさえ、X-T3より売れるとは思っていません。
だからこそ私は買う
X-Pro3は初めて見る人にはX-Pro2以上にパッと見で良さが分からないカメラです、これは断言できます。
魅力が分かりずらいカメラだからこそ、ブログというメディアで発信している者としてこのカメラの良さを発信しなければならない使命すら感じてしまいます。
後継機は待ってくれない
X-Pro3が想定と違ったのでX-Pro4を待つ、という意見もネットで何度か拝見しました。
これには頑として否定したい。
「こんな尖ったX-Pro3が売れなかったら後継機なんて絶対出ないよ」と。
富士フイルムのカメラ事業の売上げがグループ内においては雀の涙なのはカメラ業界では周知の事実です。
とはいえ富士フイルムは株式会社ですから、こんな趣味性に走ったカメラが売れなかったら株主も黙ってないでしょうし、もう後継機は作られないでしょう。
そんなカメラを開発した全ての人とGOサインを出した経営陣の勇気に敬意を評してこのカメラは新品で買うべきではないか、そう思ってます。
ほぼしゅふ的まとめ
まだ書き足りない部分もあるので後日追記するかもしれません。
色々書きましたが、X-Pro3はこれで良かったと思います。
とは言え実際に触ってみないと何とも言えない部分もあるんですよね。
そしてまだ詳細(スペック的な部分)が明らかになっていない所もありますし、正式発表が楽しみ。
今の悩みはX-Pro3をどの色にするか、X-Pro2を手元に残しておくべきか、といった所でしょうか。
10月26日のFUJIFESTでX-Pro3を実際に触って最終的に決めようかな、って思います。