久しぶりにレンズを購入しました。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF、私にとって初めてのツァイスレンズ。
買った理由やX-Pro2に装着して撮ったファーストインプレッションについてサラっと書いてみました。
一言でいうと運命のレンズに出会ってしまったような、そんな気がするレンズです。
購入した理由
※今回の記事のタイトルはこの記事からインスパイアされています
マクロプラナー自体はコトバコのしむさんの記事でどんな写りなのかはなんとなく分かっていました。良いレンズだなと。
とはいえX-Pro2だと周辺部分はカットされますので、このレンズの美味しい部分は使えないから…とあまり食指が動かなかったのも事実。
実際、しむさんにお会いした時もマクロプラナーそっちのけでOtusを触らせて貰ってたくらいですから。
そんな時にこの記事ですよ、最高すぎる。
ここまで懐の深い表現が出来るレンズだったのかと考えを改めました。
ニコンのフィルムカメラも持ってないし、以前としてX-Pro2がメインな私ですが購入の検討を始めます。
超美品が格安で見つかった
コシナの廃盤レンズは値下がりしずらい傾向にあることや、何回使ったの?というレベルの美品が格安で見つかったのも大きかった。
マップカメラはさ、購入価格と買取価格の差額を「レンタル価格」だと思うようにしています。
— イナ (@inachu56) 2019年5月13日
極めつけはこれ。
レンズの購入価格ーレンズの下取り価格=レンタル価格という理論で行くなら
使えば使うほど無料に近づくレンズだな
という確信を得たのが決め手です。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF以外に検討したレンズなど
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFに心は決まっていましたが後悔しないために(一応)他の焦点距離が近いプラナーのレンズも検討しました。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 | Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 | Plannar T*2/50 ZM | Touit 2.8/50M | Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 | Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.7 | Carl Zeiss Planar T*45mmF2 | Carl Zeiss Makro-Planar T* 60mm F2.8 | |
マウント | ニコンFマウント (キヤノンEFマウント用もあり) | ニコンFマウント (キヤノンEFマウント用もあり) | ZMマウント | 富士フイルムXマウント | ヤシカコンタックス | ヤシカコンタックス | ヤシカコンタックスGマウント | ヤシカコンタックス |
大きさ | 72x64 mm | 66x45 mm | 51×43.5mm | 65x91 mm | 78.5x55 mm | 61x36.5 mm | 56x38.5 mm | 65.5x51 mm |
重さ | 510g | 330g | 210g | 290g | 320g | 190g | 190g | 260g |
フィルター径 | 67mm | 58mm | 43mm | 52mm | 67mm | 55mm | 46mm | 55mm |
最短撮影距離 | 0.24m | 0.45m | 0.7m | 0.15m | 0.45m | 0.6m | 0.5m | 0.27m |
富士フイルムで使える焦点距離50mm付近のプラナーとなると、この8本のレンズが候補に挙がります。
左3つは長野県のコシナで製造されているレンズ。
Touit 2.8/50M(名前は違えど一応Carl Zeissのマクロプラナー)は公表されてないけど富士フイルムが製造してると噂のレンズ。
他はヤシカ&京セラ(一部ドイツ)製のコンタックス用のレンズ。
コンタックス製のレンズは製造から年数が経過しているにも関わらず、最近は値上がり傾向なのでちょっと手を出しずらい部分もあるかもしれません。
富士フイルムで使う分にはTouit 2.8/50Mは等倍マクロで軽く、オートフォーカスも使えますので最適な1本ですが、富士フイルム以外のカメラでは使えないので覚悟が必要です。
コシナ製Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 の軽さや価格にも惹かれましたが、被写体に寄れるレンズの方が撮影の幅も広がると判断しCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50を購入しました。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50についての予備知識
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50はキヤノン用のZEとニコン用のZFが存在します。
富士フイルムを始め、各種マウントアダプターを挟んで撮影したいと考えている方には、絞りリングが付いているニコン用のZFを購入した方が自由度は高いかも知れません。
ちなみにニコン用はZFとZF.2の2種類あり、大きな違いは電子接点の有無。
電子接点があることで撮った写真のレンズ情報(値など)を後から見返した時にも記憶されているので便利です。
私は特にこだわりもないのでZF用を購入しました。
Milvus 2/50Mとの違い
現在ではCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 の後継機としてMilvus 2/50Mが発売されています。
基本構成はほばそのままに、高画素機でも通用するようにコーティングなどを最適化されてるとか。
また、絞りリングのクリックの有無を変更できる機構になっているので動画撮影にはMilvusが最適(ZF.2のみ)
個人的にはクラシカルなデザインが好きなのでMilvusの選択肢はありませんでしたが、価格やデザインで選ぶと良いでしょう。
外観について
クラシカルな外観とシルバーのリム、金属性の外観が所有欲を満たしてくれます。
上から見てもかっこいい…。
インナーフォーカスのレンズではないので、マクロ撮影をする際にはレンズが繰り出してくるタイプなのは好みが分かれるところでしょうか。
フォーカスリングはヌルヌルとした上質が動きなのでマニュアルフォーカスでも使いやすいのが特徴です。
少し撮ってみた感想
レンズの素性を知る為に撮って出しでいくつか。
撮った瞬間からこのレンズの凄みを体感できました。
とにかく解像感が違う、これがツァイスか…という感じ。
設定はどの写真も変えていますが、シャープネスは全て-1にしてこの写りである事を付け加えておきます。
マクロレンズという特性上、花の写真を多めに載せてみましたがとても良く解像します。
富士フイルムの純正レンズについてはシャープでありながらもピント面は優しさが残る繊細な写り、というのが私の印象なのですが、マクロプラナーは人の顔だろうが何だろうがキレのある写り。
とはいえボケ味もそこまで悪くなく、クリアで上品な写りといった感じ。
ツァイスのレンズを好んで使う人の気持ちが少し分かりました。
(すいません、ちょっと暗かったかも)
水の描写も良く、雨の日についつい持ち出したくなるレンズです。
「プラナーはその場の空気まで写す」
なんて表現をする事がありますが、使い込めばそう感じる事ができるのでしょうか。
焦点距離と使い勝手について
X-Pro2で使うとフルサイズ換算75mmになるので中望遠のレンズになりますが、スナップからマクロ撮影まで使える万能レンズというのはやはり便利。
注意しないといけないのは、フォーカスリングが330°とかなり回転すること。
※参考に私が持っている同じくコシナ製のNOKTON classic 40mm F1.4では45°くらい
ピントがシビアなマクロ撮影にはこの「大きく回転すること」が重宝しますが、近くのものに寄ったをした後にすぐ遠くの被写体を撮る、みたいなフレキシブルな撮影には向きません。
他には全群繰り出し式(レンズ全体を動かしてピントを合わせる方式)のマクロレンズなので前玉のレンズがかなり奥まった位置にあります。
マクロ撮影で頻繁に被写体に寄る人でも、すごく神経質な方以外は保護フィルターは不要かな?と感じました。
フルサイズのカメラを買いたくなる
こうなると周辺がカットされないフルサイズセンサーを搭載したカメラで使うとどうなるのか…という気持ちになるのが人間の性。
ほぼしゅふ的まとめ
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFがツァイスの深淵なる沼へ誘う最初の1本になるのか、生涯を添い遂げる1本になるのかは分かりません。
が、「Carl Zeiss」というレンズを堪能するには十分すぎる銘玉でしょう。
1度触ってしまったら最後、あなたの手元にあるかもしれません…。
↓はZF.2のレンズ