気付けばα7RⅢを購入してから1年半以上も経過していました。
新しいカメラに買い替えたくなってしまう性分の私が長い期間に渡って使用しているだけあってもう「空気」というか、そこにあるのが当たり前になっていたんですよね。
愛着という部分では他に所有しているX100Vがありますが、カメラを道具として見た時には発売から4年近く経った今でも他メーカーの機種と比べても十分な性能を出してくれる安心感があるのがα7RⅢです。
今回は作例を交えながらα7RⅢの素晴らしい点やこれだけ長く使っていて慣れない点などについてレビューしていこうと思います。
作例
カメラの話が長くなるので先に作例、というか気に入っている写真を使っているレンズごとに何枚かピックアップしてみました。
高性能なレンズを使えばしっかり描き切り、オールドレンズなどの甘いレンズでもしっかり期待に応えてくれる包容力の高さがα7RⅢの良い所でしょうか。
高画素からくる解像感とダイナミックレンジの広さにこのカメラの素性の良さを感じさせます。
高感度については3200くらいからノイズが出てくるのでAPS-Cと比べて高感度に強いという印象はありませんが普段使いでは十分でしょう。
とはいえ写真はカメラよりレンズで決まる要素が大きいと思っているので各レンズのレビューも合わせてどうぞ。
AF性能はまだ数年以上戦える
α7RⅢ以降に発売された機種であれば日常のあらゆるシーンで高速かつ正確にピントを合わせてくれるAF(オートフォーカス)性能を持っています。
それまで富士フイルムのX-Pro2というAFがそこまで速くないカメラをメインで使っていたのもありますが感動するレベルです。
動いている子供の写真を撮る時にしっかり瞳にピントを合わせてくれる、もうこれだけでα7RⅢを使う意味と価値があります。
特に純正レンズや純正の中でも高価格帯のGMレンズを使うとサードパーティ製レンズよりも顔認識やAFの追従性が高まります。
鳥をメインに撮るなど超高速で移動する被写体を撮影したい場合は更に上位機種のα9やα1の方が無難でしょうが、それ以外なら全く問題ありません。
ピントが写真の全てではありませんが、後から確認した時に会心の写真のピントが微妙にズレてると泣きたくなるのでとてもありがたいですね。
4240万画素はあればあったで便利だけど大変
高画素機のメリットは高解像の写真が撮れるのは勿論ですが、画素数に余裕がある分トリミングしたりAPS-Cのサイズにクロップしてもα7RⅢでは1800万画素残るのは大きいです。
4240万画素を搭載していることで8Kにも対応しますし画像データとして鑑賞に耐えうる寿命も長いでしょう。
ただ、高画素が必ずしも必要かと言うと大きく引き伸ばしてプリントしたいなどの用途でもないと大変な部分も多いです。
例えばメモリーカードは書き込み速度が高速で容量が多いものが必要ですし、撮った後にデータを移す為のストレージもより多く必要になるので撮れば撮るほどストレージ容量が心配になります(主に経済的な意味で)
また写真1枚のデータ容量が大きいのでRAW現像をする時にはPCのマシンパワーもある程度必要です。 ※動画編集がサクサクできるレベルなら無問題です
レンズも高画素を写し切れる性能が必要なら高額なレンズが必須になります、もちろん写し切れる性能がなくても楽しめますけどね。
電子シャッター速度の最高がメカシャッターと同じ1/8000秒まで
これは私が富士フイルムのカメラも使っているからこその不満かも知れませんが。
屋外などの明るい場所で大口径レンズのF1.4などを使おうとする時に露出オーバーにならない様に電子シャッターで1/32000秒にして撮っていましたがSONYは上位機種以外の場合電子シャッターも1/8000秒になります。
NDフィルターを使えば良いのかも知れませんが高速シャッターはあると便利なんですよね。
これはSONYだけではありませんが購入する前にしっかり確認しておけばよかったと後悔してます。
また、α9などの上位機と違って電子シャッターでのローリングシャッター歪みも生じるので(詳しくは調べてくださいね)動体撮影時にはメカシャッターが必須です。
撮って出しの色味は好みが分かれると思う
色の好みは人それぞれなので言及するのもどうかと思いましたが、SONYのカメラの撮って出しの色味は他社と比べるとあまり評判が良くない感じですよね。
私自身あまり好みの色味ではないので全てRAWで撮って後から現像していますのでそこまで気にしている部分ではないのですが。
評判が良くない理由としては、
- 肉眼で見えている雰囲気に近いフラットな色味
- ホワイトバランスが(特に屋内で)正確じゃなかったりや色被りが起きやすい
- クリエイティブスタイルで使える表現の幅が狭く、カスタム出来る項目も少ない
といった所だと思っています。
私も撮って出しで好みの色味に出来ないかとクリエイティブスタイルではなくピクチャープロファイル(主に動画のLog撮影の色味やトーンなどを設定する機能)を試したこともありましたが、Lightroomなど現像ソフトほど細かい設定が出来ないので厳しかったです。
(α7SⅢなどはホワイトバランスの正確性が向上してクリエイティブスタイルも一新されて撮って出しの色味の選択肢も広がりましたし今後の機種は更に良くなるでしょう)
ダブルスロットについての注意点
α7RⅢはSDカードを2枚挿せるダブルスロットになっています。
2枚挿せるということでそれぞれで写真・動画、JPEGとRAWなどで分けたりすることも出来るので非常に便利ですよね。
ただ1つ注意点があってスロット1にはUHS-IIの高速書き出しに対応しているんですがスロット2はUHS-Iのみに対応しています。
これがどう問題かというと、1枚だけ高速のSDカードをスロット1に挿すよりも、2枚とも高速のSDカードを挿した時の方が遅いスロット2の速さに合わせて遅くなってしまいます。
連写したり動画を撮る方は出来るだけ高速で書き込まれないと処理待ちが長くなって結構ストレスになることもあります。
なので最近は絶対にカードが保存されていないと困る!という時以外はスロット1にだけ挿して撮影することも多くなってしまいました。
実際に試された方がいるので参考にしてみて下さい。
厳しい環境下で使える防塵・防滴に配慮した設計?
α7RⅢは防塵・防滴仕様ではなく防塵・防滴に配慮した設計です。
実際に他のメーカーの防塵・防滴仕様のカメラと比較してシーリングが甘いと感じているので信頼していません。
特に端子部、SDカード挿入部、バッテリーの蓋部分などは防塵・防滴仕様であるならもっとしっかりシーリングされているはずですからね。
厳しい環境下で使うならカメラ内に混入しないようにカバーで覆うなどの対策は必要です。
この価格帯のカメラなら殆どが防塵・防滴仕様なのでこれは購入前に注意した方が良いでしょう。
メニューは分かりにくいけど困るほどではない
よくSONYの設定メニューは分かりづらいと言われるんですが、これは慣れで解決できるレベルじゃないかな。
よく使うメニューはマイメニューに30個まで登録できるので問題ないですし、設定が変更できない部分についてなぜ変更できないか都度表示してくれるのでむしろ親切に感じます。
できれば富士フイルムの様にメニューを開いた時にマイメニューから開いてくれるようになれば最高ですが。
確かに一見しただけでは設定項目が多すぎて&名前で判断できない機能が多いのですが、普段使うような設定ってそんなにありませんからね。
α7RⅢより以前に発売された機種だとマイメニューがないらしいので地獄だなと思いますが…。
1年半以上使っているけど慣れないなって部分について
不満な部分も使ったら慣れるって言いますけど未だに慣れない部分が多いα7RⅢ。
以下、書き出してみたら5つも慣れない点がありましたが、それを補って余りある性能が気に入って使っていますので参考になれば幸いです。
フォーマットがびっくりするくらい遅い
初見だと、えっ?なんでこんなに時間掛かるの?となること間違いなしのフォーマット時間の長さ。
他のメーカーだとほぼ一瞬、遅くても数秒というイメージですがSONYの場合無駄に(失礼)沢山のファイルを生成しているからなのかものすごく時間が掛かります。
撮影に行く前に自宅でSDカードをカメラに挿してあるか確認してフォーマットしておくまでがルーティンになりましたが、せっかちな性分なのであの長さは慣れませんね。
SDカードの挿入の向き
人間の心理的にSDカードの表側(シールが貼ってある方)を見ながら挿したいと思ってしまうんですが、SONYは裏側を向けて挿さないと入らない仕様。
最近はさすがに慣れましたが、それでも3回に1回くらいは間違えているのでもうこれはSONYが悪いってことにしたい。笑
コントロールホイールが勝手に動いて設定が変わる
以前はコントロールを回すことでISO感度を変更できる様にしていたんですが撮影している時に勝手に動いてしまってあれっ?ってなることが多いです。
これは慣れる前に困ってしまったので今はコントロールホイールの部分に機能を割り当てない様にしています。
また、写真を再生する時にコントロールホイールを使うとサクサク写真を進められて良いんですが、コントロールホイール部分に割り当てられている音量を変更するボタンが高確率で反応しまい写真が先に進めなくなってしまいとてもイライラします…(ボタンの割り当てで削除できたら教えてください)
シャッターボタンがフニャフニャで半押しするのが難しい
α7Ⅲなども同じですがシャッターボタンを半押ししたつもりがボタンの感触がフニャフニャで半押しなのか全押しなのか分からなくて難しいです。
結局全く慣れなかったので親指AFを使うことで解決しました。
フォーカス位置の循環ができない
例えばAFモードをフレキシブルスポットの場面でフォーカス位置が右端ある時に瞬時に左端にしたい時があるんですが、そんな時にフォーカス位置が循環できれば右ボタンを1回押すことで左端に移動できてとても便利でなんですよね。
富士フイルムなどでは普通に使えるんですがα7RⅢだとこの循環ができません。
α9やα7RⅣなどでは使えるそうなんですけどね、これくらいはアップデートでお願いしたいな。
余談:フルサイズミラーレスのカメラの中からSONYを選ぶメリット
フルサイズのミラーレスをどれにするか悩んだら今はSONYが無難だと感じていて
- レンズラインナップが豊富
- カメラの種類が豊富
- 新品も中古も人気で値下りも少ない
というのが大きいです。
レンズは純正とサードパーティ製を合わせれば圧倒的に多いので同じ焦点距離のレンズの中から自分に合った最適なレンズを選びやすい。
カメラの種類も販売を終了した機種を合わせればフルサイズだけで14種類もあるので自分に必要な性能と予算から選びやすい。
そんな訳で新品でも中古でも人気が高く値下りしにくいので精神衛生的に安心して使えます、買って2年でカメラの価値が半分くらいになったら結構ショック大きいですよね…私は耐えられない。
SONYはエントリー向けのカメラは出来るだけリーズナブルな商品も揃えて間口を広げ、フルサイズは高価格帯路線を貫いているのでその辺上手いですね。
ほぼしゅふ的まとめ
カメラの価格と性能のバランスを重視して購入しましたが撮影した写真に不満は殆どありません。
今から(2021年現在)フルサイズの高画素機が欲しいという方にも十分おすすめできる機種です。
高画素いらないよって人にはα7Ⅲもありますしもっとコンパクトなカメラが欲しい人にはα7CもあるのでやっぱりSONYは選びやすいかも。
それでは良いカメラライフを。