こんにちは、執筆段階で富士フイルムを手放して持っていない筆者はX100の後継機であるX100Vを心待ちにしています。
X100シリーズもこれで5世代目、私のように楽しみに待っている方も多いはず。
この記事では遂に発表されたX100Vと現行機であるX100Fとの比較なども交えて、購入する(つもり)である私が思うことなどについて書きましたので参考になれば幸いです。
2020/2/5追記:発表されたのでX100Fとの外観の比較や改善して欲しかった所など大幅修正しました
X100Vから変わった所
発表前から情報がダダ漏れなのはどうにかなりませんか富士フイルムさん…笑
新しいレンズに変わる
新たな光学系を採用し、シリーズ初のモデルチェンジを実施。歪曲収差、球面収差を低減し、さらなる高画質を実現
レンズから刷新されるという噂はかなり以前からありました。
X100Vではレンズの枚数は同じですが非球面レンズの枚数が従来の1枚から2枚に変更されています。
今までのX100シリーズのレンズでは絞り開放でのにじむ、ゆるゆるな描写が良くも悪くも大きな特徴でしたが、この描写に影響する球面収差を低減したとあります。
実際に撮ってみないと判断できませんが、従来よりもシャープな今どきのレンズに変わるとみて間違いなさそうです。
どんなレンズが搭載されるのかワクワクしますね。
追記:X100F用のワイコン、テレコンレンズが使えるとのことなので今までのユーザーの方が仮に買い替えても使えそうです
ちなみにワイコンとテレコンにはⅠ型とⅡ型が存在しますが、違いは装着した時にレンズの補正を自動でしてくれるかどうか。
I型の場合は自分で設定画面を開かないと反映されませんが、使えないことはありません。
背面ディスプレイがチルト式に変更
今まで背面ディスプレイは固定式でしたが、X100Vではチルト式でディスプレイを動かすことが可能になりました。
X-Pro3のHidden LCDのように隠れる仕様ではなく一般的なチルト式。
X-T3などに搭載される縦構図でも使いやすい3方向チルト式ではありませんでしたが、使い勝手が向上したのは嬉しいポイントですね。
デザインが変わる
前面の比較
パッと見は同じカメラに見えますが、フロントレバーのデザインや位置、グリップの形状が変更されているのが分かるでしょうか。
他にも細かい部分でデザイン変更が施されています。
細かい所だと同色のホットシューカバーも付属されそうですね。
背面の比較
後述してますが大きく目を引くのは十字キーがなくなったことはX100Fと見た目を比べた時の一番の違いでしょうか。
他にもQボタンの位置の変更やファインダーのアイカップが丸くなったり、タッチパネルになった影響かX-Pro3に近いボタン配置になっています。
上部の比較
上から見て分かるのはFnボタンの印字がなくなりシンプルになりました。
また、左端の面取りの部分がなくなり角ばったデザインになりシャッタースピードのダイアル周辺のデザインも変更されています。
そして天面の素材がマグネシウムからアルミに変更されたため、シルバーでは色や質感がかなり違いが出ているので実物はもっと違うんじゃないかな。
ちなみに今回のエクステリアデザインは初代X100、X100Sなどを担当した今井 雅純さん。
好みはあるかも知れませんが、X100Fのクラシカルなデザインを更に洗練させたものになったのではないでしょうか。
防塵・防滴仕様に変更(条件あり)
ついに、ついにX100シリーズが防塵・防滴仕様に対応しました。
一応アダプターリングとレンズフィルターを装着することで完全な防塵・防滴になります。
もちろん防塵・防滴仕様がなくても問題なく撮影できますが、X100Fまではファインダーにホコリが混入する問題を抱えていましたから厳しい環境で使用しない方にとっても良いことしかありません。
その他
細かい所ではシャッターダイアルを上に持ち上げた時に指を放しても上がった状態を維持するようになりました。
意外と動かす時に常に持ち上げていないといけないのは大変だったので個人的には嬉しい改善です。
また撮影済みの画像の表示も出来るようになりました。
ライバルは、いない。
X100シリーズには現状ライバルというライバルはいません。
敢えていうならセンサーサイズが同じGRⅢ、同じ焦点距離のレンズを搭載するソニーのRX1RM2が候補になりますが微妙にベクトルが違うカメラなんですよね。
機動力や携帯性を重視するひとはGRⅢを購入しますし、画質やツァイスレンズが使えることを重視する人はRX1RM2を購入するでしょう。
ではX100Vを購入する人はどんな人かというと
- あのクラシックカメラ然とした外観が好き
- それでいてカメラの質感にも出来るだけこだわりたい
- 富士フイルムで撮れる写真の色味が好き
- でも出来るだけコンパクトなカメラが好き
そんな人が購入するカメラで、他のカメラと絶妙にキャラが被っていないんですよね。
どのカメラが良いという訳ではなく、どのカメラも良い。
ごめん、やっぱりライバルいました。
X100Vのライバルを敢えて挙げるなら今までのX100シリーズのカメラ達。
どのカメラのデザインも素晴らしく、新しいカメラが発売されてもそのまま所有するユーザーが多いのも頷けます。
X100VをX100Fと比較してみる
スマートフォンの方は左右に動かしてご覧下さい。
X100V | X100F | |
画素数 | 約2610万画素 | 約2430万画素 |
焦点距離(フルサイズ換算) | 23mm(約35mm) | 23mm(約35mm) |
コンバージョンレンズ使用時(フルサイズ換算) | ワイコン装着時28mm テレコン装着時50mm | ワイコン装着時28mm テレコン装着時50mm |
デジタルテレコン(フルサイズ換算) | 35mm、50mm、70mm | 35mm、50mm、70mm |
絞り | F2~F16 | F2~F16 |
最短撮影距離 | 10cm | 10cm |
連写(メカシャッター) | 最高11コマ/秒 | 最高約8コマ/秒 |
シャッタースピード | メカシャッター:30秒~1/4000秒 電子シャッター:1秒~32000秒 | メカシャッター:30秒~1/4000秒 電子シャッター:1秒~32000秒 |
ISO感度 | ISO 100~51200 | ISO 100~51200 |
AF測距点(シングルAF時) | 425点 | 325点 |
AF速度 | 約0.08秒 | 約0.08秒 |
タッチパネル | あり | なし |
EVF | 369万ドット有機EL 倍率0.66倍 | 約236万ドット 倍率0.48倍 |
OVF | 視野率95%、倍率0.52倍 | 視野率92%、倍率0.5倍 |
ボディ内手振れ補正 | なし | なし |
チルト液晶 | あり | なし |
動画 | HD、 Full HD、 4K | HD、Full HD |
重さ | 約478g | 約469g |
幅×高さ×奥行き | 128.0 x 74.8 x 53.3mm | 126.5mm×74.8mm×52.4mm |
フィルムシミュレーション | 17種類 | 15種類 |
NDフィルター | ON/OFF可能 | ON/OFF可能 |
バッテリー | NP-W126S | NP-W126S |
撮影可能枚数 | 約350枚(EVF) 約420枚(OVF) | 約270枚(EVF) 約390枚(OVF) |
USB充電 | あり(USB-C) | あり(microUSB) |
その他 | ・フィルムシミュレーション |
大きく変わった点は
- センサーの変更でオートフォーカス性能と画素数が進化
- ファインダーが更に見やすく
- バッテリーはそのままで撮影可能枚数が増加
- フィルムシミュレーションが2種類追加
- 背面ディスプレイがチルト式に変更
- 防塵・防滴仕様
- レンズ光学系の変更
といった感じ。
より使う場所を選ばない、使いやすさに磨きがかかったカメラに進化しています。
X100Vは買いなのか
X-Pro3が発売された時にも感じましたが、X-Pro2やX100Fの世代の時点でカメラとして完成度がとても高いです。
なので今までのX100シリーズのユーザーがすぐにでも買い替える必要があるかというと、オートフォーカスの進化やフィルムシミュレーション、防塵防滴仕様、レンズの進化に魅力を感じるかどうか。
これに尽きると思います。
個人的には見た目のかっこよさだけでX100Fは買いだと思いますし、X100Vとは全く別のカメラとして2台持ちしても楽しめるはず。
進化していなくて残念な点
良い事ばかり書くとメディアの提灯記事みたいになるので、一応ここをもう少しなんとかしてくれれば…という点についても書いていきます。
SDカードのダブルスロット
防塵・防滴仕様といういわばプロでも使える機種になるのなら、SDカードをシングルスロットからダブルスロットに変えてくると思うじゃないですか。
ですが今まで通りSDカードはシングルスロットのみ(しかも低速なUHS-I なのなんで…?)
私自身も常にRAWとjpegをそれぞれ分けて撮影していますし、X100シリーズはコンデジの中では大きい部類ですからスペースもあると思うので出来ないことはないと思うんですけど…
富士フイルムはX100シリーズがプロのフォトグラファーも使っていることをアピールしていますから、こういう部分も改善した方が良いのでは?
D-Pad(十字ボタン)は削除する必要あるの?
既にX-Pro3やGFX50では十字ボタンが廃止されていますからこの流れは必然だったのでしょう。
ただ、十字ボタンがなくて困ることはあっても十字ボタンがあって困ったことってないんですよね。
実際にX-Pro3で撮影した時に十字ボタンがなくても何とかなることは確認済みですが、あった方が嬉しいのは間違いない。
この部分でユーザーを降るいに掛ける必要ってあるのかな?っていうのが素直な感想です。
アダプターリングの改善
要らないし純正は高い
X100Vから防塵・防滴仕様に対応になりましたが、アダプターリングとレンズフィルターを別途購入して取り付けないと防塵・防滴にはなりません。
今までのフード、テレコン、ワイコンレンズも今まで通り使えるようにとの配慮かも知れませんが、せっかくレンズを刷新したのだからアダプターリングなしでレンズを取り付け出来て、防塵・防滴仕様を実現出来ていれば完璧だったのに…と思いました。
ほぼしゅふ的まとめ
スマートフォンの影響でカメラの売上が下がる中、今世の中に必要とされるのは「所有したくなるデザインのカメラ」なのではないでしょうか。
ワクワクするカメラ、持ち出したくたくなるカメラ、首から掛けたくなるカメラ。
そのすべてをX100Vは高いレベルで提供してくれます。
問題があるとするならシルバーとブラック、どちらを購入するのべきか悩ましい…ということです。
色々書きましたが、X100Vの発売日の2月下旬(予定)がかなり楽しみですし、買うしかない。
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