今日はちょっとマニアックなフィルムカメラの話です。
1990年代頃のキヤノンのフィルムカメラには視線入力AFという機能が付いていたのを知っていますか?
オートフォーカスが自分の意図しない場所にピントを合わせて困った経験は絶対1度はあるかと思います。
視線入力AFとはファインダーを覗いた時に見えている場所にカメラが自動で合わせてくれるという夢のような機能です。自分の意のままにピント位置を合わせられるなら撮影が簡単になりそうですよね。
今回はウチの家にあるEOS 5 で実際に視線入力AFを試してみました。
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EOS 5の紹介
世界初の視線入力AF(オートフォーカス)搭載カメラである。ファインダー内に5つのAFフレームが水平に配置されており、撮影者がそのいずれかを注視することによって、オートフォーカスフレームを選択することができる。
発売当時のフラッグシップ機であった EOS-1 に次ぐ上級機種として発売された。最高シャッター (カメラ)速度1/8000秒、エレクトロニックフラッシュ同調速度1/200秒、秒間5コマの高速フィルム巻き上げなど、そのスペックは EOS-1に引けを取らないものであり、サブ機として愛用するプロも多かった。
1995年に後継機種であるキヤノン EOS 55が発売され、1998年には上位機種となるEOS-3が発売されるが、その後も2001年まで販売が継続された。
wikipediaより引用
EOS 5が世界初の視線入力AFのカメラで、AF測距点が5つと決して多い訳ではありませんが、当時としては使い勝手が良くロングセラーだったみたいですね。
他にwikipediaにシャッター音が静かだったと書いてあるんですが、現行の5D Mark4と比較すると
EOS 5「カッッシャン!」
EOS 5D Mark4「シャキーーーーーン!」
って感じでしょうか。
確かに今よりは静かですけどね(笑)
ちなみに電池の種類は2CR5です。
外観
家にあるEF 50mm F1.8 STMを試しに付けてみました。
昔のレンズを現代のカメラに付けるのは良く見られますが、その逆はなんか新鮮ですね。
ちゃんとAFも効くので驚きました。
裏はフィルムカメラのそれです。
クルクル回すダイアルはこの頃から付いていますね。
家にあったフィルムカメラ、コンタックスRXと並べて比較してみました。液晶画面が大きいのがEOS 5ですがほぼ同じ大きさですね。
ちなみに重さはEOS 5が約750g、コンタックスRXが870gで120g程の違いがありましたが、EOS 5は外装がプラスチックなのもあってか、それ以上に軽く感じました。
視線入力AFの操作方法
ちょうど家に説明書もありましたので載せつつ補足の説明をしていきます。
まずはキャリブレーションを行います。
モードダイアルを「CAL」→電子ダイアルを回して点滅している登録されてない番号を1~5の中から選びます。
選んだらファインダーを覗いて赤く光る右端の測距点に視線を合わせてシャッターを押します。
問題なければ次は左端の測距点に視線を合わせてシャッターを押します。
もしうまく登録出来なかった時は「ピピピピピ!」と連続して鳴りますのでもう一度最初から始めます。私は試しに逆光でやってみたら失敗しました。
試しに撮ってみてうまくAFが使えない時など、登録した番号を消去したいときは「CAL」→電子ダイアルで消したい番号に合わせる→AEロックとAFのボタンを同時押しします。
実際に撮影してみた
ダイアルを写真にもあるクリエイティブゾーンに合わせます。絞り優先オートなどでOK。
AFボタンを押すとファインダーの中の測距点が全部赤く光ります。
光るのを確認したらダイアルを「CAL」にします。
すると液晶画面に「OFF」と表示されます。
ダイアルを登録した番号まで回す→撮影モードを選択して完了です。
うまくキャリブレーションが出来ていれば覗いた場所にピントが合うはずです。
一応解除する時や他の番号に変えたい時は「OFF」を選択すればOKです。
ケラれていますが、実際のファインダーはこんな感じで視線を合わせた場所にピントがきます。ちょっと感動。
視線AFの注意点
便利な視線入力AFなんですが、縦位置で構えた時にはそのままではAFが効きません。
別途違う番号に縦位置で構えてキャリブレーションを行なう必要があります。
これがイマイチ使い勝手が悪くて不評だったのかな。
あとは登録した時と少しでも眼の位置がずれると機能しなかったり、人によっては登録してもうまく機能しなかった事が多く、実用性に乏しかったみたいですね。
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ほぼしゅふブロガー的まとめ
時代を先取りしすぎた感のある視線入力AFですが、今ならテクノロジーも進化しているので、実用性の高いモノが出来そうですけどどうですかねキヤノンさん。
カメラ任せにせず、自分の思ったとおりにピントが合えばストレスフリーだし、初心者の方でも安心してカメラを楽しめると思うんですけどね~。
次の記事はこちら
同じくフィルムカメラのコンタックスT2について。
最近中古市場でとても高値で取引されています。
その魅力についてまとめました。