先日、富士フイルムから広角ズームの「XF8-16mm F2.8 R LM WR」が発売されました。
待望のF2.8通しの広角ズームレンズを待ち望んでいた人も多いことでしょう。
このレンズについては既にネットで言及されたり作例も出ていますね。
この記事では購入する際に迷うであろう、もう一つの広角ズームレンズ「XF10-24mm F4 R OIS」と比較しながら実際に触ってみた感想を交えてまとめました。
結論としては良いレンズだけどやっぱり高いな~って感じ。
XF8-16mm F2.8 R LM WRについて
XF8-16mmのメーカー希望小売価格は29万9700円(税込)…
価格.comの最安値では24万円からといった感じです(2018年12月現在)
安いとは全く思いません、富士ユーザーでこのレンズを躊躇わずに購入できるのは勇者と言っていいと思う。
しかしXF8-16mmフルサイズ換算で12mmから24mmをカバーしているF2.8通しのレンズは今の所、富士フイルムだけです。
それだけでも作った意義はあるでしょうし、むしろXF8-16mmって安いのでは?とか思えてきますね、怖い。
すでに富士フイルム公式でいくつかXF8-16mmの紹介動画がUPされていますが、素人目で見ても広角端でも歪みや周辺減光は殆ど無さそうですし、さすがだなという印象しかありません。
XF8-16mmF2.8 R LM WRのスペックをXF10-24mmと比較して思うこと
私が気になる部分だけ抜粋して比較して、良いなと思う部分を赤文字にしてあります。
XF8-16mm F2.8 R LM WR | XF10-24mm F4 R OIS | |
最小絞り値 | F2.8 | F4 |
光学手振れ補正 | なし | あり(公称で何段分との記載なし) |
重さ | 805g | 410g |
最短撮影距離 | 25cm | 24cm |
最大撮影倍率 | 0.1倍(望遠端) | 0.16倍(望遠端) |
最大径×長さ | 88mm x 121.5mm | 78mm×87mm |
実勢価格(2018年12月現在) | ¥242,500~ | ¥89,000~ |
XF8-16mm F2.8 R LM WRの方が秀でているのは
- XF10-24mm F4 R OISよりも更に広い画角を使える
- 最小F値が2.8なので暗い場所の撮影で使いやすい(特に星景写真)
- 防塵・防滴仕様なので天候関係なく風景写真などが撮影可能
- 絞りリングにF値が表記されていて使いやすい
といった感じ。
XF10-24mm F4 R OISの方が秀でているのは
- 手振れ補正が付いていて安心(そんなに強力ではないけど)
- 広角からスナップまで対応できる使い勝手の良い焦点距離をカバー
- XF8-16mm F2.8 R LM WRより軽い(重さは約半分)
- XF8-16mm F2.8 R LM WRよりかなり安い
こんな感じでしょうか。
一応スペックの比較を書いてみましたが、レンズはスペックだけ見ても正直何も分かりませんよね、使ってみないことには。
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XF8-16mmF2.8 R LM WRを触ってみた感想
X-Pro2にXF8-16mmを実際に装着して試してみました。
同じF2.8通しの標準ズームであるXF16-55mm F2.8 R LM WRを使っていますが、XF16-55mm(655g)より150g重いXF8-16mm(805g)を装着した感じはそこまで変わらず、大きさも殆ど変らない印象で(ちょっと太いけど)使えます。
ちなみにXF8-16mmは前玉が出ているので通常のフィルターは付けられません。
広角端の10mmと望遠端の16mmでピントが合う一番短い場所で撮影してみました。
最大撮影倍率は望遠端でも0.1倍と低いですが、最短撮影距離は短いのでテーブルフォトでも使わない限り(あまり居ないと思うけど)使いにくさは感じないかも知れませんね。
オートフォーカス音は他のリニアモーター搭載レンズ(名前にLMが付いたレンズ)と同様に静かです。
XF10-24mmと撮り比べしてみる
実際にXF10-24mm F4 R OISと広角端の撮り比べをしてみました。
10mmでも十分ですが、8mmはさらに広い範囲を写すことが分かりますね。
参考までに等倍で中央と隅の部分を見てみました。F値はそのレンズの開放です。
こちらは同じ10mmでの比較。こちらもレンズは開放です。
明るさも同じでは無いので分かり難いですが見た限りはXF8-16mmの方が解像している感じ。
とはいえXF10-24mmでも十分解像しているのではないでしょうか、優秀です。
撮影環境が三脚で固定する様な完璧な状態では無いのですし、室内でISO2000まで上がっているので本当に参考程度にお願いします
実際にこの2つのレンズを開放で使うのは星の撮影くらいで、普段はF値を大きくして使う事が多いのでしょうからあまり意味の無い比較ですね…。
室内ではうわー写真になんでも収まる!すごい!くらいしか分からないので、このレンズの本領が発揮されるのは野外のフィールドで使ってこそかな、と思います。
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XF8-16mmF2.8 R LM WRを使ったプロの感想を聞いた話
実際に発売前から使ってXF8-16mm F2.8 R LM WRの広告の写真も撮られた写真家の辰野清さんの話をトークショーで伺ったので、そちらの方が私の感想よりも参考になるかも。
辰野さんが実際に撮った海岸での写真を使いながら解説されていましたが、
- XF8-16mm F2.8 R LM WRは隅まで解像されている
- 超広角にも関わらず歪みも無い
- 少し上に傾けて撮っても周辺の水平線が歪まないので驚いた
とのこと。
XF10-24mm F4 R OISを購入する方が幸せになれる人
大抵の人は広角ズームならこちら、というかXF10-24mmしか金銭的に選択肢に入らないはず。
XF10-24mmでは歪みがどうしても気になる!
純正レンズのフルサイズ換算12mmで星をキレイに撮りたい!
どうしても防塵・防滴が必要なんだ!
そんな理由がない限り、まずはXF10-24mm F4 R OIS を購入するのがベストでしょう。
標準ズームレンズにおけるXF18-55mmF2.8-4 R OISとXF16-55mm F2.8 R LM WRとの関係のように、F2.8通しズームでなくても十分良く写りますから。
XF8-16mm F2.8 R LM WRを購入する方が幸せになれる人
それでもXF8-16mmを購入するべき人は
- 最高画質の超広角ズームレンズが欲しい
- 防塵・防滴、耐低温性のレンズがどうしても必要
- 写真で失敗できない=写真撮ってお金貰う人
そんな人かも知れません。いや、私も値段を見なければすごく欲しいんですけど…
正直、XF8-16mm F2.8 R LM WRを買える財力があるなら色々な選択肢がある
↑これに尽きるんですよね。
この価格帯になるともう少し出せば、例えばソニーのフルサイズ一眼のα7 IIと広角ズームレンズの FE 12-24mm F4 G (もしくはシグマの12-24mm F4 DG HSMをマウントアダプター経由で)を中古ならボディとレンズセットで買えてしまいます。
APS-Cのレンズに20万以上出すには、それ相応の覚悟が必要なのではないでしょうか。
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ほぼしゅふ的まとめ
XF8-16mmを触ってみて、素晴らしい超広角ズームレンズだと感じました。
価格は富士フイルムのレンズラインナップから考えれば妥当な金額な気もしますが、XF10-24mmも良いレンズですし、一般人の私の様な方は無理して買うべきなのか?と考えると悩みます。
現状では
- XF10-24mmを使う ※今ならキャッシュバックもあるし
- XF8-16mmの価格が落ち着くまで待つ(期待薄)
- XF8-16mmを買ったつもりになって別のメーカーのフルサイズ+超広角レンズを買う
- 今手持ちのレンズを生贄(下取り)にしてXF8-16mmをなんとしても買う!
- 2年ローン、月々1万円、1日約300円のコーヒーを買うと思えば実質無料と思って買う!
のが賢明かも。
お金が工面出来ればXF8-16mm、本当に欲しいレンズなんですけどね…。